論理の感情武装

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色を並べたら国旗に見えるっていう話 ~WUG編~

イルリキウムです。

 

私のクローゼットを開くと、「かやたんライブパーカー」(緑)と「YUNOデザインパーカー」(白)と「灰になる準備はできてますかパーカー」(赤)が、この順に左から並んでいる。

誰がどう見てもイタリア国旗である。

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「三色」の意であるトリコローレ (Tricolore) とも呼ばれる。カプレーゼが食べたくなってきた。

国旗のデザインは様々であるが、鷲や地球儀のように具象図形が描かれているタイプと、単に旗面を分割して色を配置したタイプに大きく分けることができる。

そして、色分けされただけのものだと、しばしば、"他の何かのイメージ"を想起させる。

色だけに単純化されたデザインを目にすると、人間は自分の記憶からその色彩の組み合わせを見つけ出そうとして、勝手に形態などのパーツを補完してしまうのである。

「キャラクターを色だけに落とし込んだやつ」が一時流行したことを思い出す。

matome.naver.jp

 

一方、アイドル界隈では、多くの場合においてメンバーのイメージカラーが定められている。

国旗に見えるのは、必然であろう。

 

今回は、Wake Up, Girls! のメンバーカラーである7色(赤・橙・黄・緑・青・藍・紫)を配した国旗デザインを浚っていこうと思う。複雑な紋章が載っているものは除いている。

なお、国名の前に【旧】とあるのは、現在存在しない国家か、現行の国旗として制定されていないものを指す。

 


【旧】大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国(緑

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一晩で国旗を決めろとカダフィに命じられ、焦って作ったらしい。思い切ったことをする。

2011年から使われていないが、私が国旗を覚えまくっていた頃、リビアはまだ「大リビア」であり、国旗は緑一色だった。インパクトが大きく、「何これミスプリ?」と思ったほどである。
なお、緑はイスラーム世界では最も高貴な色といわれている。

 

【旧】ファーティマ朝(緑)

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リビアはこの国旗も参考にしたのだろうか? 慌てていただろうから無理か。

10世紀から12世紀にかけて存在したイスラーム王朝である。地域としてはリビアの北部を含む。

 

アイユーブ朝(黄)

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一色旗を引き継いだとも、別の色で塗り潰したとも考えられる。

ファーティマ朝の宰相も務めたサラーフ・アッディーンが新たに建国した王朝。
このままではイスラーム史の記事になってしまうので先を急ごう。

 

【旧】ハンガリー社会主義連邦ソビエト共和国(赤)

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共産主義といえば赤い星がシンボルである。阪神の快足センターのことではない。

一色旗はそのインパクトが持ち味だが、赤一色となると目への飛び込み方が違う。戦隊ヒーローでもアイドルユニットでも、「赤はセンターの色」とされることが多い。灰になる準備はできてますかー!?

 

ラトビア(紫)

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「葡萄色」と書いて「えびいろ」と読む。ラトビアン・レッドとも呼ばれる不思議な色。

国旗に、明るい紫色が使われている例はほぼ無い(チャガタイ・ハン国は紫っぽいが)。一説によると、高貴な色&染料が高価で、敬遠されたのだとか。確かに日本でも、冠位十二階の最高位は紫であった。

 

ウクライナ(青・黄)

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空と小麦畑を表す、という説が濃厚らしい。きれーい。

言わずと知れた「もやしとごぼう」のカラー。『プラチナ・サンライズ』では会場がこの2色に揺れるが、少し気を抜くとウクライナの景色に見えてくる。嘘。

 

なお、紋章学では、横に2分割したものを「パーティ・パー・フェス」、縦の2分割を「パーティ・パー・ペイル」と呼ぶ。ウクライナは前者に当たる。

実は細かく言うと、

・フィールドを区切るという概念の「パーティション

・フィールドに配置(チャージ)した幾何学図形の「オーディナリィ」

は全く別物なのだが、国旗においてその区別はなかなか難しいので、あんまり気にしないことにする。紋章学って難しない?

 

【旧】エチオピア緑・黄・赤

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現在のエチオピア国旗は中央に国章が入っている。

アフリカが植民地支配を受けていた頃、エチオピアは独立を保っていたため、この3色にあやかるアフリカの国は多い。緑・黄・赤が「汎アフリカ色」と呼ばれるのはこれが由来である。

汎アフリカ色を使った国旗は、他にもたくさん。時間の都合上(私次第だが)、きっかり色のみで分かれている一部を紹介するに止めておく。

 

ギニア緑・黄・赤

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縦三分割は「ティアスト・パー・ペイル」と呼ばれる。

コンゴ共和国緑・黄・赤

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左上から斜めにかかるオーディナリィを「ベンド・シニスター」(左の帯)と呼ぶ。格好いい。

マリ(緑・黄・赤

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ギニアとはちょうど逆の並び。国旗クイズで間違えやすい筆頭候補だと思う。

ベナン緑・黄・赤

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特徴的な区分けをしている。オリジナリティを出していくのは大事。

 

モーリシャス(赤・藍・黄・緑)

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青はインド洋を表しているという。どちらかというと藍に近い色なので永野だろう。

汎アフリカ色に永野が加わると、モーリシャスの国旗に早変わり。横四色旗というのは珍しい。

 

ガボン(緑・黄・青)

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シンプルに色合いが爽やかである。国土の8割が森で人口密度も少ない、赤道直下の自然国だ。

田中・青山を御せずあたふたしている奥野の姿が浮かんでくるのは私だけだろうか。

 

ルーマニア(藍・黄・赤)

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ルーマニア公国時代は横三色だったのだが、19世紀半ばに縦に変わったらしい。

この3色を用いた国旗もよく見られる。永野・田中・吉岡。割とバランスが良いのでは。

ちなみに、赤青黄というキャラクターが『めだかボックス』(原作・西尾維新)に登場するが、全く関係は無い。

 

チャド(藍・黄・赤)

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色が似ている国旗は縦横比が異なることもあるのだが、なんと双方2:3でこれも一緒である。

ほぼルーマニアと一緒である。何が違うかと言うと、僅かに、チャドの方が暗い青なのだ。フランスの植民地だった歴史を持つチャドは、フランス国旗の白を、汎アフリカ色の黄色に替え、この国旗を作ったというが、トリコロールの青はもう少し明るいのでは。なんとなく悲しい。

 

コロンビア(黄・青・赤)

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上半分を占める黄色は、金を表現しているという。

田中に永野と吉岡が上から押し込まれている形。「へへーんだ!」とか言ってそう。

 

アルメニア(赤・青・橙)

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オレンジは、国民の労働による勇気のイメージだそうだ。

オレンジ色をばばーんと使っている国旗も、それほど多くはない(黄色との境目が難しい場合もあるが)。

 

アイルランド(橙・緑)

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縦横比は1:2。オレンジはウィリアム3世の支持者とのことなので、みゅー推しはウィリアム推し(違う)。

本当は、白を含む国旗は紹介しないつもりでいた。数が猛烈に増えるからである。しかしまあ、劇中の年長組ということで、特別枠でご紹介。赤が入ればTWiLiGHTなのだが、さすがに無さそうだ。

 

コートジボワール(橙・緑)

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「アイヴォリー・コースト」なる名のイメージとはかけ離れた色合いである。

アイルランドの真逆。

 

ニジェール(橙・緑)

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アフリカの国旗の中ではオシャレ感があって好きだ。

色の流れで。太陽を表現する円が入っちゃっているので、これを紹介すると「もやごぼ」のラオスも挙げなくてはいけないか……?

 


 

先日のツアー(HOMEツアー横須賀夜)で、高木が「紫・緑・黄がレゲエ感あったね~」と話していた。
レゲエで用いられるのはラスタカラーと呼ばれ、汎アフリカ色に黒を加えた4色であるが、そういう「色の感覚」を共有したくて、本記事は思い付きで書いてみた。

「そういや紫って無かったよな……」と途中で思いついてしまったので、何とかラトビアン・レッドを紫ってことにする。
カタールも、褪せた赤色で、「赤紫!」と言い張ればそう見えなくもない色だが。

また追加するかもしれない。