論理の感情武装

PDFに短し、画像ツイートに長し

Misty Glorious Cycleの十二支たち(プラス1柱と1匹)を語る

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イルリキウムです。

 

 

2019年10月、MGCproject(MGCproject☯️さん (@MGC_official01) / Twitter)の第1弾企画である"Melty Girls Creamery"について愛を綴った。

「あ~~~~これは~~~すき~~~~~」と語彙数およそ5の状態で書き始めた記事であったが、次第に脳内辞書が自律的に言葉を紡ぎ出し、文章好きでなくては読み切れない量の一作となってしまった。今読み返すと重すぎる。はてなブログの自動文字数カウントによると15,802文字。短編小説か。ここに各フレーバーの歴史的考察まで含めてしまったら、軽く倍の30,000字には達していたところだ。危ない。卒論か。卒論書いたことないけど(私の学部は卒試でした)。

 

 

このエントリは、「可愛い」と「美しい」をどれだけ回りくどくしつこく表現できるかというチャレンジ企画なんじゃないかとも思えるほどのキモ長文だったため、演者の皆さんを震え上がらせた結果ストーカー規制法の拡大解釈によりお縄になるまでありうると考えていたが、好意的な反応をたくさん頂戴し、大変助けられた。私の歓びが演者さんたちに伝わったなら、こんなに嬉しいことはない。

 

昨年秋、第2弾である "Misty Glorious Cycle" にも聊かの協力をさせていただいた。
テーマはアイスクリームから十二支へ。雰囲気も「可愛い」から大きくシフトチェンジしており、「オリエンタル」を前面に押し出す格好となった。

第1弾で目標60万円→230万円の支援を集めたプロジェクトは、今回その勢いをさらに増していた。支援額400万超。設定された目標額の倍以上に相当する。
写真集はヴォリュームたっぷりで100頁以上。
カレンダーやポーチなど豪華なリターン。加えて展示会あり。オプションでモデルさんの音声ガイド付き。

……MGC半端ないって。

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滝川第二高校 中西C

そんな後ろ向きのボールもめっちゃトラップしちゃうMGCさんの展示会に私がお邪魔したのは昨年11月のこと。

会場にいらっしゃった朝比奈さん(朝比奈里奈さん (@f0u0l0v) / Twitter)に「ブログ書きますね!」と高らかに宣言したあの日から……えーっと……

 

======言い訳は良い大人のすることではないので割愛======

 

それでは今回も行ってみよう(敬称略)。
なお、〔 〕に入っている頁数は、モデルさん別にカウントしたものである。通算の頁数ではないので注意されたい。
また、写真集を購入されていない方にも雰囲気を味わってもらえるよう、公式の写真および朝比奈さんのコメントを引用させていただく。

 

the GOD/朝比奈里奈


神って。

表紙を捲ったら、1枚隔てて神降臨よ。
前回はめちゃかわサンタだったのに、華麗なるジョブチェンジ

〔1頁目〕の指先のしなやかさと、直視できない光背。干支入りを目指して走ってきた動物が秒で平伏する。
確かに、写真集の幕開けを飾るこの写真はページいっぱいに見せたい。横長の装丁にしたのはそういった理由からだろうか。

よくよく見ると、頭部を彩る宝飾品は絢爛そのもの。この放射光を模したヘドレ、どこで売ってるの……自作……?
「どこで売ってるの? 自作?」という疑問については前作から度々口にしている"あるある"である。絶対この記事でも何度か漏らすのでお楽しみに)

〔2頁目左〕のとんでもない目力とは対照的に、〔3頁目右〕の表情は慈しみに満ちた穏やかな表情で、何物をも受け入れる心の広さを思わせる。編まれた髪の毛が弧を描いてまとめられており、これも柔和さを醸し出している。個人的には薄めの口元が好きだ。まるでアルカイック・スマイル、ふわっと口元だけで笑みを湛える。ふつくしい……。

 

 

☯️the RAT/松岡侑李


え? やば、 え???

しばらく息止まってた。特に〔8頁目〕の大写し。ちょっと見下ろして相手を見定めるようなクールな表情よ。風呂場からの「オフロガワキマシタ」に刺激を与えられなかったら息の仕方をそのまま忘れて孤独死するところだったあぶね。

十二支をモティーフに据えた作品は世の中にいっぱいあるので、つい、他の"ネズミ"たちを思い浮かべてしまうのだが、実写で最高のネズミキャラ像を塗り替えられるとは思わなかった。可愛いとかっこいいって両立するんですね。無敵じゃん。だって内科治療にも詳しい外科医みたいなもんでしょ? ブラックジャックじゃん

〔3頁目右下〕、困った。制帽はズルい。これ一つで、「組織に属している従順さ」みたいな意識付けがされる。彼女が「本当に従順」なのか、あるいは「表面では恭順の意を示しているが実は腹に一物抱えている」か、どちらに転んでも最高だ。今にも走り出しそうなポーズ、勇ましい。けどカワイイ。うひょ~!(崩壊)

〔7頁目上〕の微笑もいいよね! 髪で片目隠れててちょっとミステリアスなのもいいし、ちょうど手が挙がって「はろー」みたいに言ってそうなのもいいよね。

さて。〔2頁目下〕で明かされているが、彼女の体には以下の梵字が刻印されている。

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hrīḥ/紇哩/キリク

梵字には諸尊を一文字で表す役割があり、これを種子字と呼ぶ。キリクの字は愛染明王阿弥陀如来などの種子として用いられているが、千手観音、子年の守り本尊もそのひとつに挙げられる。

十二支にはそれぞれ、その年の守り本尊が存在し、それを一字で表す種子がまた存在する。彼らの体には種子字が刻まれているというわけだ。

さーあこっから先、体のどこに梵字が隠れているか、楽しみが増えてしまいましたねぇ!

 

(2021.1.17追記)

完全に男性だと勘違いしていました。謹んでお詫びして、文章を一部訂正しております。

 

 

☯️the OX/有馬芳彦


セ、セクスィーーー!!

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セクスィー部長

沢村一樹もびっくりのセクスィー。額から、がばっと開いた胸元にかけての肌色。セクスィー……ああ私の脳内セクスィースカウターが……。

そして見せつけるようにデコルテに浮かび上がる種子字。なになにそんな服開いちゃって何を企んでいるのですか〔3頁目左〕。

〔1頁目〕の瞳を御覧じろ。複雑な光の反射によるその煌めきと深み。吸い込まれそうどころじゃない。もう吸い込んでる。周囲の微粒子を吸い込んで、代わりに彼が生成した同質量の"艶やかさを司る妖精"が吐き出されているのだ。彼が纏う空気だけ色が違うのはそのせいなのだ。MGCの世界観は既存の物理学を超越する

えっ……!? 〔7頁目右下〕、濡れ、てますね? 濡れ場!? ごちそうさまです!

 

 

☯️the TIGER/遠藤沙季


気怠い感じで、そういえばネコ科なのね、と思わせる表情から一転、〔3頁目左下〕のような敵意剥き出しの鋭い顔も見せる。常に野生のセンサーを張り巡らせている彼女には、気安く近づくことは出来ない感じだ。

そういった中で〔7頁目〕の無防備そうな寝姿! 分かってる分かってるよそういうのがいいんだよねこういう子はう~~ん。でも絶対近寄れないんでしょ? リーチに入ったら喉笛イかれるんでしょ? だから眺めるだけにしておきます。
しっかしこの網タイツすごい。変に色気が出過ぎていないのは、彼女の表現力ももちろんのことだが、材質による影響もあるのか。

〔6頁目右下〕、面白い写真だなぁ。まるで光の矢が伸びているように見える。ポーズも相俟って、遊んでいるようだ。

〔4頁目〕の百万円札にくすっとさせられるのもワンポイント。

 

 

☯️the RABBIT/紅葉美緒


 「あかばみお、さん……めっちゃ可愛い女優さんやね」と思ったそこのあなた! きっと最初はみんなそう思うんでしょうけど男性です! \テッテレー/

や、無理があるでしょこれで男は←諦めきれない

蓮の花がまたこの美しさにブーストを掛けている。蓮は地中から真っ直ぐ天に伸びて花をつける、清らかな花だ。

〔5頁目〕顔が良すぎませんか。真っ直ぐこっちを見ているだけなのに。こっちが完全に照れて目線を逸らしてしまう。そういや私、斉藤壮馬くんとか千葉雄大くんみたいな、くりくりした男の子に激弱なんでした。「ねえねえ」とか声掛けられたら「ひぇっ!?」とか言いながら30cmくらい跳び上がってしまうわ。色素薄くて毛細血管の赤みが見える、まさにウサギっぽい感じのメイク、脱帽お手上げ白旗です。

とか思ってたら〔4頁目右〕みたいなやつ来るじゃん。人気の無い倉庫でヤンキーがドンチャカやってそうなさ。完全に男の顔してる……ギャップは人を殺すのだよ……?

 

 

☯️the DRAGON/梅田悠


うめはるさんは、水崎綾さんとコンビで活動しているYouTubeチャンネルでよくお見掛けしているので、おちゃらけた方のイメージが強かったのですが、いや~~とんでもないね。美の巨人だった

朝比奈さんも言及しているように、瞥見しただけでも印象に残るのは四肢の隅々まで行き渡った意識。想像上の生き物であるから如何ようにも形作ることはできるが、彼女でなければこれほどの美麗さを表現できただろうか。しなやかな肢体からは、空をうねるように翔けていく龍の姿をまざまざと思い浮かべることができる。

この部屋も面白いね。背景に歯車がたくさん見える。この龍、理論派か。確かにドラゴンって長年生きてて頭良いイメージあるもんね(私だけ?)。

 

 

☯️the SNAKE/上田悠介


池袋ウエストゲートパーク……。

えっと、なんというか、私の中でこういうダメージドジーンズ履いて、金物で飾り付けて、「ダチやられたら黙ってらんねぇよな」みたいにカッコ良く啖呵切る男の人って、IWGPを想起させちゃうんよね。そう、単純にカッコ良いのよ。私はね、教室で本読んでるなよっちい陰キャで、こういうの無いから、憧れもあんのよ。

というように、今までの干支の雰囲気と大分変わって、雪駄履きに傘というのは現代下町風。だが、だが! 彼の眼と頸元見てください! この世のものじゃないでしょう? 紫基調で妖艶、その奥に毒牙を隠している雰囲気。
何といっても黒いインナー、これ何て言うの? 音声ガイドのちゃんはるじゃないけど、これが似合う男性が他にいるのかという。〔7頁目右〕、網目の下から覗く筋肉の隆起、うっひょー!

支離滅裂になっちゃいましたけど、彼の魅力は、滅多なことじゃ毒牙を表に出さないことなんじゃないかな、と想像します。「奥の手はずっと隠しておくタイプ」っていうよりは、「周りを極端に怖がらせることは良しとしないタイプ」、って感じ。目元が優しいんだよな。

 

 

☯️the HORSE/小玉久仁子


こりゃすげえや。

ウマは古来から人間との関わりが深いが、賢い動物だ。彼女からはそういった誇りを感じる。一介の人間に飼われることは拒み、たとえ独りでも、強かに生き抜く力。全身から相手を打ち据えるオーラを放っている。「生き馬の目を抜く」とはよく言うが、彼女の目を抜くことはどれほど集中していても難しそうだ。

スモーキィな雰囲気ももちろん似合うが、〔8頁目〕の瀟洒な佇まいも素敵。西洋チックな階段との取り合わせが、シックな彼女の出で立ちを際立たせる。

乗馬鞭かなと思ったら、彼女が手にしているのはバラ鞭だ。分散するので音ほどは痛くない、と言われる(打たれたことは無いのでハッキリは知らない)。ちょっと、あれやね、サディスティック・ミカ・バンドやね。ぞくぞく。

 

 

☯️the SHEEP/柳瀬晴日


ピ ン ク だ

柳瀬氏、前回はグリーンティに扮してアンニュイの権化だったのに、今回はスウィート全開じゃないすか。タレ目。「ですぅ~~」とかって語尾つけてそう。

干支でいう未は、『漢書』だと「昧(=くらい。日が届かない)」に通じると説明されていて、後世の格言においても「未辛抱」といわれるので、個人的には可愛いという印象を持ってはいなかった。

それがどうだ? この8ページを目の当たりにして、「可愛い」以外の感想を抱く人間はいるか? いるとしたら相当古い辞書を積んでいるんだろうからアップデートをお薦めする。

シャボン玉といい薔薇といい、〔4頁目〕の両腕を寄せて顎から頬にちょこんと触れさせるポーズといい、ここは平和という名の空間か。ここにいれば核の脅威は消え去るんじゃないか。早く核保有国の首脳連れて来い。

可愛く「めぇめぇ」って鳴いてくれるのかと思って彼女の音声ガイドを聴いていたら、鳴いてくれはしたが、激リアルな声帯模写を披露された。「ベヘェェェェ」みたいな。……上手かった。

余談だが、ちゃんはるさんに「ヒツジ」といえば、想起するのは『Stray Sheep Paradise』である。この時のほうが可愛く「めえめえ」って言ってくれてました、よね? アッ観たくなってきた

twitter.com

 

 

☯️the MONKEY/高田淳


糖質制限……これがプロか……(お腹周りにつき続けるお肉をつまみながら)

めっちゃくちゃ闇抱えてそうだけど、勢いで蹴り飛ばし続けてきた的な。朱色の大盃が似合うこと似合うこと。事あるごとに「っしゃァ!」って言ってるわこの子。
〔7頁目〕で何が起こっているのか気になりますね。

〔2頁目左〕や〔4頁目〕では桃持ってるね。猿と桃は特に中国ではセットで描かれることが多い縁起物。日本でも、桃は魔除けの霊力を持ったありがた~い果実なのである。「オオカムヅミノミコト」と呼ばれ、神として扱われるほどだ。猿と一緒だと、桃太郎のイメージになっちゃうかもしれないけど。

まさにそんな魔除けの力を手に入れたような雰囲気。彼は一瞬で「申年だ」と分かったほどにがっちりと役にハマっていて、とても気持ち良かった。

 

 

☯️the ROOSTER/芹沢尚哉


コルセット男子のおなーーりーーー

マジか……MGCprojectのプロデュース力、これほどとは。
〔1頁目〕の、まるで水を操るマエストロかのような格好や、〔3頁目〕の口がやや開いた状態で視線を外す感じ、彼が自身の生き様や性質に、自信を持っている様が窺える。あー、roosterって単語には「気取り屋さん」って意味もありましたね。

でも自惚れるのも分かる。写真だけど、所作が綺麗なの分かるもん。〔5頁目〕、その透き通ってるようにも見えるキラキラの剣はなんですか……? 自作? 始解すると瑠璃色孔雀になるとか?

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弓親はかなり好きなキャラである

まーしかしコルセット、良い。とても良い。胴から腿の辺りのシルエットがすごくスムーズに見えて柔らかな印象〔7頁目右〕。本来は締め上げているものなんだろうけど、苦しそうじゃないところは、芹沢さんのスタイルの良さなのかな。

 

 

☯️the DOG/星璃


戌年生まれだから犬が好きです(千葉県・26歳男性)

まあ正確には、動物は総じて別に好きでも嫌いでもないのだが、犬は父方の実家で飼っていたので多少の思い入れがあるというだけだ。あとは、ゆるふわ系の先輩医師(2児の母)に「先生って犬みたいだよね~おうち来る~?」と言われたブリリアントな思い出を引き摺っているのもある。

そんなことより星璃さん。ページを捲る度に、「くぅーん」と淋しげに鳴いていそうな切ない表情と、オオカミのような獰猛さを忍ばせた表情がくるくる変わる。まさに犬っぽい、というやつだ。〔4頁目下〕〔6頁目〕の甘えたような顔! ふわっふわ犬耳! 紅葉もいいよねオレンジ可愛いよねあーかわいいねええよしよしよしよし

〔3頁目〕は左右でトーンが大分異なる。右の"覚醒顔"、最of高やでぇ……。

 

 

☯️the BOAR/藤本結衣


あ~……床を転げまわる私~~

イケメンも美少女も大好きなので、ここまでかなりフラットな気持ちで、造形的美しさや可愛さ、衣装と背景の作り込み具合に没入出来ていた。でも、イノシシこと藤本さんを見ると、ダメだ雑念がすごい! 可愛い!!

陰陽五行論』の本を読みながらも、肉まん食べたり筆で遊んだり、全然集中できてないね。チューターだったころの私だったら、仕事だからしょうがなく一言釘を刺すところだけど、彼女が幸せならOKです! なんでも自堕落許しちゃいます!

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彼女は極端にメイクが現代っ娘だよね。これまでの浮世離れした雰囲気が嘘のように、チャイナガールのコスチュームプレイを地で行くような。いかにも新入りちゃんです、みたいな。でも背景の力が加わると、一気にMisty Glorious Cycleの世界の住人となっているのには恐れ入る。

これを機に藤本さんの写真を拝見した。みんな可愛いのだが、その中でも今回のチャイナ、めっちゃ似合ってるんじゃなかろうか。

そうそう。指摘し漏らすわけにはいかないのは太ももの種子字だろう。ちゃんはる音声ガイドでも「男心を擽るのではないか」と語られている。「私は擽られている」とも。なんて男心の分かるちゃんはるさん……感涙。

 

 

☯️the CAT/窪田ゆうり


(参考写真は神様とのツーショットにあります)

出ました。神話ではネズミに騙されたといわれ、史実からはトラより伝来が遅かったといわれ、いずれにせよ干支に名前を連ねることが叶わなかったネコ。

窪田さんという鉄砲玉をネコに取っておいたのはとんでもない英断のように思う、が、予想していたきゃんきゃんしている若いネコとは少し違った。いつか寝首を掻いてやろうと干支の座を狙っているような、大人の思慮を持ったネコのようだ。
左肩がはだけているのも、やんちゃさの表現というよりは、色っぽさなのだろう。スプリングタイムストロベリーもいいけど、この窪田さんもまた素晴らしいな。

本気を出されたら、あんな首輪では繋ぎ留めておけなそうだ。

 


 

読めば読むほど楽しみが生まれる写真集だ。私は第1弾をよく読み返している。

少しでも興味をお持ちになった方、もしMGCの第3弾が企画された際は参加をご検討あれ!