論理の感情武装

PDFに短し、画像ツイートに長し

『羅小黒戦記』を観た日の完全なるメモ

イルリキウムです。

 

私には、映画を観る習慣がまるで無い。
映画館に足を運ぶことはもちろん少ないし、映像媒体をレンタルすることはほぼ皆無だ。定額動画配信サービスでは専ら麻雀番組を見ている。

私が映画館に行かない理由は、寝てしまうのが怖いからだ。

何しろ、ひとりでふかふかの椅子に背中を預けてしまったら、よほど活力のある日でなくては寝てしまう。これはマジだ。どれだけ大きな音がしていても、である。
巻戻しの効かない映像を、せっかく大画面で観ているのに、一瞬でも見逃したらもったいない。そういう意識はあるのだが、睡魔はやる気に勝る。常勝軍団スイマーズ。なんか水泳してるみたいになってしまった。

 

しかし今日の私は強気だった。スーパー銭湯で当直明けの体を癒し、昼寝までかましたからだ。こりゃー絶対寝ないわ、スイマーズ見てろよ土付けたるわ。

実は、少し前から、ひとりのフォロワー氏が『羅小黒戦記』を激オススメしていらっしゃったため、気になってここ数日上映館を調べていたのである。加えて、他コミュニティの友人からも、この映画についての好い評価を聞いた。異なる界隈の知人3人以上が高評価を下したものは、一定の信頼に足ると考えている。これはチャンスだ。

 

てなわけで、何年振りかも分からない(もしかすると初めてかもしれない)が、私はひとりで映画館へと赴いた。

 

しかし、間もなく公開終了であるせいか、パンフレットが売り切れてしまっていた。ライブ公演と映画鑑賞の際は必ずパンフレットを購入し、記憶を喚び起こす道具としている私にとっては、かなり残念なことだ。

よって、今回はブログに思い出せることをメモ書きする形で残しておこうと思う。パンフレットは、他の劇場の近くを通ったら売店をチェックしてみよう。あるといいな。

 

 

以下では映画の内容に触れるので、これから作品を観る予定の方は目を通さないことを推奨する。

なお、鑑賞にあたって、予習は全くしていない。知っていたのは「シャオヘイという妖精の話」「中の人は花澤香菜」という2点くらいだ。事後の考察もしていない。そう、ホントにメモである。どこからどう見てもメモである。箇条書きだし。だから何も参考にしないように。

 

 

luoxiaohei-movie.com

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

・妖精がスマホ弄ってんの新鮮。現代の話だというこれ以上ない印象付け。アニメで描かれる携帯がスマホに変化してきたことに関する論考をどこかで目にしたことがあるが、こうしたフィクションにおける"時代の遷移"の表現は、現実世界と同期していればさほど意識されないことがほとんど。それがなんだ、今回は妖精だもんな。意識しないわけにはいかない。〈人間が自分たちの住みよいように自然に手を加えていったせいで……〉とか、〈別種族が反目し合うのか、手を取り合って共栄の道を模索するのか……〉とかといった、割とメジャーなテーマを分かり易く打ち出してはいるものの、「いやそうはいっても妖精なんていないしな~~」と、やっぱりフィクションとしてスクリーンを眺めていた。そこにスマートフォンという大層身近な存在が映ることで、「うお、これは他人事じゃないかも」と意識付けされた

 

・このスマホのシーン、単純にいいな。ムゲンの仲間たちが自然体だ。そんで、ムゲンがほとんど喋らず、周囲の面々とシャオヘイの関わりに目配せしているのがめちゃくちゃ良い。どう考えてもシャオヘイに対する彼のアプローチは強引だし、圧倒的強者がよくやるコミュ障っぷりを遺憾なく発揮していた。でもすっごく気に掛けてるんだよなー

 

・「本当に才能があった」「アクシデントだ」とかの一言ムゲンさん最高っすね。細かい場面割りのコミカルシーンの効果は大きい。そういやあの、主が死んだと勘違いした小坊主のシーンはなんだったんだ。めっちゃポップな放射状の背景じゃなかったか。いや面白かったけども

 

・ムゲンの「善悪が分かるか?」という台詞も印象深い。私は小児科で日々子どもたちに接している中で、5-6歳の子らが"裏のある優しさ"を敏感に嗅ぎ取るということを学んでいる。あのくらいの年頃の子は、理屈で善悪を判断しない。その後、フーシーから人間への恨み語りを聞かされたシャオヘイの心の揺れっぷりはいかばかりであったか。そして、「善悪が分かるか?」は、「お前の中に、ちゃんと答えがあるだろ」に繋がっている。ムゲンがフーシーのことを一度も〈自らとシャオヘイの共通の敵〉と認識していないのが切実だ。弟子の精神的成長を促し、結実させる、すごい指導者だ。師匠……!

 

・とはいうけどさ、やっぱりフーシーも打算だけじゃなかったと思うのよ。多分、最初3人のヤンキーにシャオヘイを襲わせたのはマッチポンプだろうけど(そうだよね、その解釈が一番しっくりくる)、最期には謝ってたもんな……。自らと同じように憂き目に遭ったシャオヘイのことを仲間だと思う意識はずっと持っていたはずで。やー、暴走しちゃう系実はいい人の悪役ってしんどいよ。「死ね」まで言っちゃったもんフーシー。あれ敗北フラグだもん。まあ私バトルの辺りはずっと泣いてましたけど

 

・いやムゲンさん、相手の精神世界に入り込むという圧倒的不利な状況下で、あんだけ立ち回れるのやべぇよ。かっこよすぎ。そしてな、シャオヘイの服をはたいて整えてあげるあのシーンね……。あれ最大の見せ場だわ。あと最後も最後、エンドロールが終わったラストに出てくるムゲンさんの昔のお家ね。色々思うところはあるけど、ちょっとうまく言語化できないのでペンディング

 

・チョーさんと芳忠さんが並んで喋ってるのアツい。あの2人が神妙に会話しているのを10分くらい聴いていたいわ

 

・花の妖精、"市井の人"感がものすごいな、と思ったら宇垣さんかーーい

 

・あ、劇伴も結構楽しかったんですが眠いのでまたの機会に