論理の感情武装

PDFに短し、画像ツイートに長し

「Wake Up, Girls! コール・合いの手グランプリ」を勝手に開催する

イルリキウムです。

 

 

声優ユニットWake Up, Girls! のライブ。

それは、単なる歌と踊りを楽しむエンタテインメントに留まらず、その場にいる人間たちがWUGを中心とした愛と信頼を確認し合う、ある種の定期集会であった。

一度でもその感情のキャッチボールを目の当たりにした者に、
「今後開催されるすべてのライブに参加したい! いや、絶対する!」
と思わせる力を持っていた。

 

残念なことに、2019年7月14日現在、「今後開催されるライブ」の予定は無い。
ただ、すべてではないとはいえ、主要な公演は円盤化されている。全公演が主要と言いたい グリフェスどうなった


カメラレンズを通り電気信号に変換されてなお、その熱気は伝わってくる。

"灰=high"になれる。

それがWUGのライブだった。

 

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友人宅だったり職場だったりに出張していていくつか抜けている

私は、WUGのライブ映像にアクセス出来る環境は整えておきながら、踏ん切りがつかずなかなか鑑賞出来ずにいるタイプの人種だ。パッケージすら開けていなかったりする。

そんな中、この前うっかり〈Start It Up,〉を開封し、うっかり再生してしまった。

後に語り草となる驚愕の開幕SHIFT。響き渡るワグナーの声。

「「「レッスン!! レッスン!!」」」

私はモニタの前で微動だにせず、ステージの彼女たちと、集結したワグナーの声に集中した。


そうだよ、これだ。

コールだ。


WUGのライブに初めて参加してくれた友人からは、必ずと言っていいほど「コールの団結感がすごかった」と品評を貰ったものだ。
しかし、その"団結感"は、いかにしてあれほどのスピードで醸成されたのだろう?

新たな合いの手が生まれ、淘汰されたり定着したりする。その様はまさに生物だ。
新曲のみならず、既存曲に対してもそれは同じ。
特にFINAL TOURでの進化のはやさには目を見張る物があった。

コールする。クラップする。振りコピする。肩を組む。たまに演者の代わりに歌う。
そして、曲によっては胸元にサイリウムを灯し、静かに聴き入る。

 

ツアーを通して代謝され、洗練されていくコール!

ヴァリエイション豊かな合いの手と、場の空気を乱さぬ統率感!


これは紛れもなく、WUGライブの持つ醍醐味のひとつだ。


もちろんライブ参戦する方々には、経験値の多寡があり、それぞれの流儀がある。
多数派のコールであっても強要するものではないし、逆もまた然りである。

「コール予習しなきゃ……!」という風に焦りに駆られ、演者のパフォーマンスが楽しめなくてはもったいなさすぎる。
揃ったら感動的だが、揃うことが全てではない。
揃わないのは、それだけたくさんのバックグラウンドを持つお客さんを呼べたということだから。

 

だから今回は、私イルリキウムがあくまでも勝手に、
Wake Up, Girls! コール・合いの手グランプリ」を開きたい。

あのとき一緒に叫んだワグナーたちの笑顔を思い浮かべながら、私の心に深く刻まれている想い出のコールたちを振り返る。

 


 

■これぞキャラとの融合で賞

『ぽんとPUSH! もっとSMILE!』サビ前の「うんめ~にゃ~!」

Aメロのラップパートからビートにノリノリで口ずさむ。
声を上げたい……! という衝動が積み上がってピークを迎えるところにキメの1小節。
見事に「うんめ~にゃ~」の3拍がハマるのだ。たのしい!

「イエッタイガー」なんかも同じ拍数なわけだが、あの現場では淘汰される側のコールになった。
WUG現場には「うんめ~にゃ~」が相応しい、と多くの人が同調した結果なのだろう。

この台詞を聴くと、田中美海と片山実波が重なる。
まあ、我々が言っちゃうと我々がキャラになっちゃうわけだが。

 


■色の芸術で賞

Beyond the Bottom』曲終わりのブレード消灯

ソロパートを取るメンバーの色にサイリウムを変えるというのは、WUG現場でなくてもちょこちょこ見られる光景だ。
だが「消す」というこの動作はなかなかレアだろう。

ステージの照明とリンクし、7人の姿を神々しく浮かび上がらせる。
急激にどこかへズームアップ、あるいはズームアウトしたような、
7つの魂が方方へ飛散したような、あるいは収束したような、
突如としてどこか知らない空間へ放り込まれたような、あるいは現実に引き戻されたような、

そんなカットアウトを、「無」という光は表現する。

他にも、『Polaris』ソロで赤に染まる会場に心を動かされたまゆしぃの表情を知る喜びや、
「この曲はこの色にしてほしい」という決して広く発信されたわけではないメンバーの要望を忠実に再現する楽しみは、
WUGならではのものだったのかもしれない。

 

 

■走らずにテンポを刻もうで賞

恋?で愛?で暴君です!』間奏のクラップ

「クラップいくよ?」とか「クラップせーの!」とかといったまゆしぃの煽りから、
ギュインギュイン唸る堀崎エレキに乗ってクラップが始まる。

しかし、このクラップが走る走る。
あのときのワグナーは、暴君に精神をやられて「クラップ」以外の単語が理解できないほど訳が分かんなくなっているため、テンポを保てないのだ。

いやーしかし超楽しいよこのクラップ。楽しいよね?

 

 

■脳内麻薬に脳が浸っていくで賞

『極上スマイル』間奏の指差し

極上スマイルは最初から最後までコール満載のお忙しい曲であるが、一番好きな部分はこの指差しなのだ。
WUGちゃんに合わせてビシッと。人差し指の先端まで研ぎ澄ませる。

この瞬間、WUGちゃんたちと心で繋がれる気がするのだ。

 

 

■このグループ名を叫べる幸せを噛み締めるで賞

『さようならのパレード』間奏「Wake Up, Girls!

この曲が披露されたのは残り活動期間もカウントダウンに入った最終盤。
しかし、このコールはモニター映像に促されるように自然発生し、SSAで極致に達した。

落ち着いたBPM120。歩くテンポに最も合うといわれている。
ここにファンファーレ。重ねていくWUGコール。
集大成であり大団円を感じさせる。

私は「Wake Up, Girls!」という名前を叫ぶのが好きだ。
程度の差はあれど、みんな好きだろう。
詳しくは以下の記事を。

i-verum43.hatenablog.com

この曲には、歌詞カードには掲載されていない「Wake Up」の掛け声もある。
カーテンコールの途中、かやたんがワグナーを誘うのだ。
時間にしたら一瞬。だが込められた想いは簡単には語れない。

 

 

■準グランプリ

『スキ キライ ナイト』〈歌が好き〉の「かやが好き」

これは言わずもがなだろう。かや推し以外もほとんどのワグナーが全力で叫ぶ。

正直な話、私はメンバーの歌唱部分に、完全に被せてしまう名前コールがあまり好きではない。
7 Girls War』の「かーや!」は、一度試してみたが苦しくてやめてしまった。

この「かやが好き」は訳が違う。
かやたん自身もまんざらではない様子なのだから。

あれ、もしかしてそこのワグナーさん、元々の歌詞忘れてないでしょうね?

 

 

■グランプリ

『TUNAGO』〈きみの想いも~〉からの手を前に差し出す振り

振りコピでもあり、推しへの愛情表現でもあり、「繋ぐ」の一つの体現でもある。
バラバラに差し出された手が、最後にひとつに纏まり、約束を示す小指が掲げられる。

この曲で我々は声を上げない。
ただただ、柔らかく手を振り動かし、彼女たちと思いを同じくする。
言の葉 青葉』や『雫の冠』でも見られるが、WUGちゃんの上肢による表現力は見事でしかない。

 

 

■特別枠

『地下鉄ラビリンス』〈round, round,... 〉からの7人それぞれ異なる振り

これは私がやってるだけのやつ。どのくらいのワグナーが同じことをしているのかは不明のやつ。

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『WUG関連楽曲解説』p.43


上記のレビューに記したように、7人が違うポーズを取っていくので、
『TUNAGO』よろしく、推しと同時に、私はおでこに手を当てWUGちゃんたちを眺める。

推しと同じことやりたい気持ち。

 



以上で、勝手にグランプリを閉じる。ライブっていいよね。